秋が深まり、昔フランス租界であった上海中心部の街では「仏国梧桐」(プラタナス.スズカケノキ)と呼ばれる落葉樹の落ち葉が道を染め始めました。この時期は、道路清掃員の忙しい時期でもあります。
道路清掃員という職業が、中国だけのものなのかはわかりませんが、最近の、この職業に対する議論をご紹介しましょう。
「道でポイ捨てを誰もしないのであれば、道路清掃員は必要ないはずだ。」といった、道路清掃員の存在が、国民資質の低さの象徴とまで言う否定的な意見もあれば、「都市の美容師だ。」と誉めたてる意見もたくさんあります。
屋外での労働が過酷な夏と冬には、いろいろな店舗や銀行、オフィスビルで、道路清掃員に対して休憩場所、飲み物・電子レンジなどを提供する親切なボランティア活動が展開され、メディアはそれを「上海という都市の暖かさ。」として宣伝しています。
また、どこかの先進国から高価な道路清掃機械を輸入したというニュースも時折耳にすることがあり、確実に道路清掃に機械化の波が押し寄せていることも実感できます。
しかし、道路清掃員の仕事がそれほど軽減されたとは思いません。私が帰路につくため暗くなっていく街に出ると、帽子やベルトにライト(車にぶつけられないため)をつけている清掃員の姿も目に入ります。また、私の家は一本の小路に面していますが、夜10時過ぎになって静まり返ったところに、まだ仕事が終わっていないのでしょう、道端で休憩している数名の道路清掃員の会話がはっきりと聞こえてきます。
そんなに夜遅くまで道路清掃員を働かせる必要性が本当にあるのでしょうか。世間は「上海という都市の冷たさ。」と言うかもしれませんが、メディアは「わが都市は24時間いつでもきれいだ。」と反論するでしょう。
いずれにせよ、落ち葉に染められた街が本当にきれいです。政府は一部の道路を一定期間清掃せず、落ち葉の敷き詰められた状態のままにしておくことを決めました。
sその道路を担当している道路清掃員は早く家に帰ることが本当にできるのでしょうか。